KOBECCO(月刊神戸っ子)2024年9月号
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先日、宮大工の棟梁にいちばん気になる道具を尋ねたところ「やはり鉋かんなでしょうな」。大工をはじめ木を素材とする職人たちは、仕上がりの美しさと精度を左右する鉋の切れ味を吟味してきました。名人が生み出す薄く均一な鉋屑は向こう側が透け、まるで絹のような光沢があります。その美しさに触れた故永六輔氏により「削り華」と名づけられました。削り華には人を夢中にさせる奥深さがあります。厚み数ミクロン(1000分の1ミリ)という極限に達するには、数々の習練と工夫を要するからです。また鉋の刃を鍛える現代の鍛冶など、道具のつくり手側の切磋琢磨も欠かせない、いわば技の結晶です。「削ろう会」はプロの職人のほか、手道具や職人に興味のあるアマチュアが集まり、楽しみながら技術交流する団体です。年一回の全国大会では一般的なサイズの寸すんぱち八鉋かんなと五寸究極の削り華を求めて常設展地下1階 鉋の展示荒削りと仕上げ削りそれぞれの木肌と削り華に触れることができる ―削ろう会と現代の道具竹中大工道具館邂逅―時空を超えて第十二回(最終回)14

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