KOBECCO(月刊神戸っ子)2024年8月号
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神戸元町商店街5丁目の一角にある珈琲専門店。開店時から絶え間なく客が訪れるものの、店内にはゆるやかな時が流れ、駅前のカフェとは一線を画す風景と出会える。創業は1978年。昭和の時代から50年近く、自家焙煎の深煎り珈琲で珈琲好きを魅了してきた。一杯ずつ点てる珈琲は深煎りながらすっきりとして甘みもほんのり。「はたブレンド」をはじめ、「風見鶏ブレンド」など神戸らしい名のブレンドが8種、ストレートが7種、7時間かけて水出しした珈琲を凍らせた氷珈琲など、バリエーション豊富で誰もが美味しい一杯を楽しめる。約200客揃うカップは、春は桜、夏は向日葵など、季節のはた珈琲店神戸市中央区元町通5丁目7-12 078-341-34109:00~19:00水曜定休(祝日は営業)と第2水曜の翌日も休業柄で提供したり、客が好みの柄を選んだり。最近は地元の常連客のみならず、レトロな趣を求めて海外の観光客や若い人の利用も多いとか。「誕生150年を迎えた元町商店街には創業100年以上の老舗が多い。うちは創業47年と歴史の3分の1しか関わっていないが、老舗と若手が頑張る店や新店を“つむぐ”ことが大切。先達が創り出した商店街の価値を守り、我々世代、そして後輩達へとバトンを繋いでいきたい」と語るのは神戸元町誕生150年事業実行委員会の委員長も務める店主の畑芳弘さん。新旧が織り交ざった商店街で、洗練やお洒落という言葉では語れない味わいがこの店にはある。1 二代目の畑芳弘さんと畑さんの母、 初代の加津子さん。畑さんの父親が営む 洋服店の2階に開業したのが始まり2様々な絵柄の珈琲カップをディスプレイ注文が入るごとに一杯ずつ丁寧にドリップ。どのカップで提供されるか、も楽しみ12ミルクに珈琲の氷を浮かべた氷珈琲700円。時間が経つと氷が溶け出し、濃厚な珈琲の味わいが増す9

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