KOBECCO(月刊神戸っ子)2024年8月号
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あまつなぎホームページ職種のみなさまから信頼されるように精進する必要があるのではないでしょうか。そして地域の医療や介護体制を熟知した地域の医師会と行政が横糸となり、医療や介護サービスの提供者を繋げ、都市部も過疎地域もそれぞれの地域の実情に応じた医療体制を提供する必要があります。つまり医師という縦糸と、医師会や行政という横糸でかかりつけ医やかかりつけ医機能を織りなしていき、それらは各地域の状況に応じて独自のものが展開されるべきではないでしょうか。できる体制や連携の構築を目指して、平成30年に「あまつなぎ」を設立しました。この取り組みは令和2年の厚生労働省主催の研修会で上手く展開している参考事例として報告されるなど、医師会と行政が一体となって稼働する活動が高い評価を得ていますが、現実はまだまだ利用者が少ないので、今後はもっと多くの人に利用していただけるようにしないといけないですね。─かかりつけ医が浸透し、かかりつけ医機能がより発揮されるために、どのようなことが大切になるのでしょうか。武部 開業医だけでなく、医師会も一緒になって、かかりつけ医機能を点ではなく面で支えるようにするのが理想だと思います。地域のそれぞれの医師は縦糸となって、各自の専門分野はもちろん、幅広い知識を日々習得して患者さんや多員の高齢化も大きな課題になっています。─一方の尼崎市はいかがですか。武部 尼崎市は狭い地域の中に数多くの医療機関が存在するため、医療のフリーアクセスのもと患者さんは自由に医療機関を選択できる環境を享受できます。一方でそれぞれの診療科ごとに主治医が存在し、患者さんと主治医や基幹病院を繋ぐ線が複雑に絡み合っています(図2)。─尼崎市では香美町のような行政区と医師会の管轄エリアの乖離がありませんが、医師会と市の協力体制はいかがですか。武部 一例ですが、尼崎市医師会は尼崎市と協力し、高齢者が可能な限り住み慣れた地域で生活ができるように入退院支援、日常療養の支援、急変時の対応、看取りに対して専門職が包括的な支援やサービスを提供89

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