KOBECCO(月刊神戸っ子)2024年8月号
23/136

建て替えの話が進められていた頃、いつものおしゃべりの中で、一口1000円の寄付を求められた(笑)。僕も?って、笑っちゃった(笑)。トアロードのまわりに、母校の慶應大学の創立者、福沢諭吉が土地を持っていたなんて話も聞いたものだから、神戸でお付き合いのある卒業生たちと一緒に協力することになった。神戸生まれの建築家がデザインすることが決まって、そのアーチに歌詞を刻む話が街の人たちからあがった。本当に光栄です。自分たちの住む街を、そんなふうに自分たちで作っていくのはいいことだと思う。僕は、“人”が見える街に魅力を感じる。アーチの除幕式の日は、トアロードにあるライブハウスで、神戸にゆかりのあるミュージシャンたちが『トアロードのハレ娘』を歌った。僕もトークで参加。楽しかった。長く生きてるとおもしろいこともたくさん起こるね。完成したアーチは、キレイに街に溶け込んでいる。歌碑はちょっと見上げたところにあって、そこもいいなと思ってる。text. 田中奈都子23

元のページ  ../index.html#23

このブックを見る