KOBECCO(月刊神戸っ子)2024年7月号
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─講演はどのような内容でしたか。多田 「患者の立場で考えるかかりつけ医機能」というテーマでご講演いただきました。まず、賢い患者になるためには自身が命の主人公であり体の責任者だという自覚が大切で、患者と医療者は協働する関係にあるので、医療安全対策や医師不足など現在の医療の問題や医療のあり方について患者もともに考えるべきではないでしょうかと問いかけられました。そして、国で話し合われているのはかかりつけ医の「制度」ではなく「機能」であることを指摘した上で、かかりつけ医をめぐる医療制度や社会環境、患者の現状を紹介し、かかりつけ医のの相談を受けてきました。また、医療機関へのアドバイスや、岩波新書『賢い患者』の執筆、患者代表として厚労省ほか多くの行政の審議会の委員も務められ、広島大学の客員教授やラジオパーソナリティーとしても活躍されています。制度化は日本にメリットはほとんどなく、必要なときに必要な医療にアクセスできるかかりつけ医機能の検討が必要だと訴えておられました。そして最後に、メモやあいさつの重要性、患者の自覚の責任、医療に限界があることを理解するなどの「新 医者にかかる10箇条」を紹介されました。─質疑応答ではどんな質問がありましたか。多田 市民の方からは、医師下浦 典子 先生多くの市民が来場した88

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