KOBECCO(月刊神戸っ子)2024年7月号
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所産であり、かかりつけ医も英国のGPなどヨーロッパの家庭医とは違う意味を持っています。また、日本は高齢化率が高く、しかも自由に診療を受けられるのに、他国と比べて医療費が高い訳ではなく、G7諸国で新型コロナ感染症での人口あたりの死者数も圧倒的に少なかったのですね。安易に英国を模倣するのではなく、かかりつけ医の機能を強化しつつ、その役割を実情に合ったわが国独自のものとするべきではないでしょうか。今回お話した内容は『神戸っ子』2023年7月号「みんなの医療社会学」で詳しく記述していますのでぜひご覧ください(本誌ホームページで閲覧可)。─特別講演の講師はどなたでしたか。多田 認定NPO法人ささえあい医療人権センターCOML理事長の山口育子さんをお招きしました。山口さんはこれまで7万人もの患者さんた」と高野先生はおっしゃっていました。─2番目の講演の演題は何でしたか。多田 しろがねのりこ皮ふ科の下浦典子先生が、「英国の医療制度」をテーマに、財務省がかかりつけ医制度のモデルとしているイギリスのGP(General Practitioner)制度を解説し、そのメリットとデメリットそれぞれについて解説されました。「英国のような制度を採用する必要はないでしょうけれど、何でも相談できるかかりつけ医がいるということは大切なことです」と下浦先生がおっしゃっていたように、市民のみなさまにはかかりつけ医を日々の健康に役立てていただければ良いのかなと思います。─3番目は多田先生が講演されたそうですね。多田 はい、「なぜ『かかりつけ医』なのかを掘り下げる」という演題でお話いたしました。医療制度はその国の歴史や国民性などの高野 朋子 先生87

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