KOBECCO(月刊神戸っ子)2024年7月号
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演を聞いたことがありますが、まるで、立て板に水を流すように、台本に書いてある文章をなぞっているだけでした。この作家はどこへ行っても同じ話をしているのではないかと思わせるような、まるで芸人のような話し方でありました。これは講演ではなく何かの会に行った時。無理矢理ひっぱり出されて、挨拶をさせられた人が、この人はある程度、有名な人でありましたが、話が全く下手で、本人も壇上で、あがりっぱなしでしたが、そのとつとつとした話し方に感動した人が多く、その人は話し終わるとどこかに消えてしまいました。だから、話の上手な人が必ず立派な人物であるかどうかは疑問です。その人のありのままの姿が、感動を与えることがあります。普段日常的な話が、ただただ言葉が多いだけで、何の内容もない人もいます。そのような人と対面しなきゃ『GOETHE』2021年9月号 「特集 最高の仕事を生む椅子」(幻冬舎)に掲載された写真 撮影:鈴木拓也17

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