KOBECCO(月刊神戸っ子2024年6月号
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酒の事業に携わることで、神戸が軟水・硬水両方が湧き出ている稀有な場所であると実感したという2人。出汁に向いている軟水、スープに適する硬水、だから和洋食の文化が栄え、さらにはパン文化や酒文化など、多様な食文化が根付いた。水に恵まれていることが神戸発展のポイントといっても過言ではないと考える。ARIGATO-CHANが布引の水の事業から始まったこともあり、水を切り口に神戸を盛り上げていかなければという使命感があるそう。自然派料理の「amasora」やクラフトビール醸造所「IN THA DOOR BREWING」、三つ星レストランの「カ・セント」、「にしむら珈琲店」など、神戸の名だたる人気店も水にこだわっている。それら水に関して想いがある人達と、水で神戸の街を盛り上げていくことが目標だ。豊かで良質な水を育んでいる六甲山を含めた自然環境に意識を持つことが大事。「神戸でそれぞれの産業を営む人たちが水に紐づいて自分たちの事業がまわっていることを意識しだしている」と中野さん。例えば、神戸市を中心に木材のコーディネートをしている「SHARE WOODS.」代表の山崎正夫さんや、尻池水産の尻池宏典さんたち漁師さんも海の恵みは健全な山があってこそ、と六甲山の木々を間伐して植林する活動に取り組む。坂野さんが声掛けして「世界水の日」の前日にあたる3月21日に「神戸の水プロジェクト(仮)」をキックオフ。日本を代表する地球科学者の巽好幸先生や「つなげよう、支えよう森里川海」プロジェクトを立ち上げた前環境省の中井徳太郎さんらが集い、神戸の水に継続的な価値を見い出していく強力なチームを形成していく予定。「今後、神戸の水はますます神戸の貴重なポテンシャルになると確信しています」と坂野さん。恵みの水が神戸の未来に恵みを生みだす。お酒の美味しさも美味しい水のおかげ、と皆でちょっと環境を意識すれば、もっと美味しい未来につながるはず!神戸を”水“で盛り上げる「日本酒は楽しい」を体験できるSAKEのワ・・ンダーランドだわん♪81

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