KOBECCO(月刊神戸っ子2024年6月号
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では、千秋くんと似たところはあるかもしれませんね。Q.出演される8月10日のテーマは『のだめ、千秋とパリに行く!』。フランスの作曲家の代表曲で構成されていますね。ラヴェル、サン=サーンス。どちらの作曲家も「表現力が重要だな」と感じます。レッスンでは「フランス語っぽく弾いて」と指導を受けることがあります。やわらかさというか、流れというか。言葉で言うのは難しいですけれど。サン=サーンスの曲では、フランス語っぽさを感じてもらえるかなと思います。Q.今回演奏するラヴェル『ツィガーヌ』、サン=サーンス『序奏とロンド・カプリチオーソ』の好きなところは?『ツィガーヌ』は、突然バイオリンソロから入って、ソロが5分ほど続きます。そこがかっこよくて好き。小さい頃から聴いていて「演奏したい」と思っていました。『序奏とロンド・カプリチオーソ』は、サン=サーンスがサラサーテのために作った曲です。サラサーテは作曲家として有名ですが、ヴァイオリンがすごく上手かったそうです。本当に美しい曲で、オーケストラと一緒に盛り上がっていく後半は特に大好きです。Q.今回使用されるヴァイオリンは、とても古い楽器ですね。とても貴重な楽器、1779年にミラノで作られた、J.B.グァダニーニです。弾いていて感じるのは、パワーがあること。ヴァイオリンは高音になると音が薄くなりがちですけれど、この楽器は高音もしっかりと深い音が出ます。そのパワーが、今回演奏する『ツィガーヌ』に合っていると思います。Q.好きな演奏家はいますか?ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団の第1コンサートマスター、樫本大進さんです。樫本さんは演奏が素晴らしいというだけでなく、オーケストラも、ソロも、室内楽もできるんです。そういう演奏家って多くはいないんですよ。ソリストはソロ、オーケストラに入るとオーケストラプレイヤーになるのがほとんど。樫本さんを知るまで、私は全部できる人を見たことがありませんでした。私はソロもオケも好き。どっちも目指していいんだと教えてくれたのが樫本さんです。Q.では、目標にしているオーケストラは…ベルリン・フィルです。みんながソリストで、すごい音が出る。何十人もの個人の技術と思いがひとつになって、何より音楽を楽しそうに演奏するところに憧れます。今は、アプリ『デジタル・コンサートホール』で、毎日毎日聴いています。Q.好きな曲を1曲あげるなら?2019年のベルリン・フィル日本公演でも演奏された、ブルックナーの『交響曲第8番』です。「ヤバッ!」って圧倒されました。ベルリン・フィルに出会って、自分の音楽も変わりました。「私もいつかきっと!」と思っています。生で聴く“のだめカンタービレ”の音楽会2024年8月10日(土)15:002024年8月11日(日・祝)15:00兵庫県立芸術文化センター KOBELCO 大ホール指揮・おはなし:茂木大輔ヴァイオリン:渡辺紗蘭(8/10のみ)ピアノ:石井琢磨(8/11のみ)オーボエ:吉村結実(8/11のみ)管弦楽:兵庫芸術文化センター管弦楽団text. 田中 奈都子45

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