KOBECCO(月刊神戸っ子2024年6月号
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御影石で造られた碑は本を開いた形状で左ページには「帆神 北前船を馳せた男・工楽松右衛門」から抜粋した文字が刻まれている。時代と運命に翻弄されながら力強く生きた女性たちを取り上げ続けてきた玉岡かおるさんが初めて男性を主人公にした『帆神』。高砂の漁師の息子として生まれ海商となり、画期的な「松右衛門帆」を生み出した人物の生涯にスポットライトを当てた。物語は十輪寺での葬儀の場面から始まる。この寺の起源は1500年以上昔にさかのぼり、平成大修理で300年ぶりに修理された本堂は兵庫県指定文化財に登録されている。二十歳のころ、初めてこの立派な寺を見たときから「境内に文学碑や句碑がある寺にしたい」という思いを持っていたという西田光衛名誉住職。住職在任中に檀家に嫁いできた玉岡さんと出会い、「若いのにえらいなあ」とその活躍ぶりに感心し、見守ってきた。2022年、「帆神」『帆神』ゆかりの地・高砂市「十輪寺」に建立玉岡かおる 文学の碑向かって右側 = 十輪寺住職 西田衆応氏 前兵庫県知事 井戸敏三氏 高砂商工会議所会頭 福島孝一氏  兵庫県議会議員 山本敏信氏 玉岡かおる氏同左側 = 十輪寺名誉住職 西田光衛氏 神戸新聞社取締役 西海恵都子氏 高砂市長 戸倉達殊氏 姫路市長 清元秀泰氏42

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