KOBECCO(月刊神戸っ子2024年6月号
35/148

「ありがとう」の意味─マイスター大学堂を愛顧するようになったきっかけは。八田 もう30年くらいのお付き合いになるのですけれど、アイメトリクスが出た時に友達に勧められたのがきっかけです。松本さんというスタッフが上手だということを聞いて、今もずっと松本さんにお願いしています。いつも親切に対応してくれますね。久利 松本君は今、店長として頑張っています。八田 最初の眼鏡が良かったもので、これでもう一生ものだと思っていたのですが、ちょっとオシャレをしたいとか、ゴルフの時に使いたいとか、気が付いたらこれだけ増えて。久利 状況によって使い分けるのが良いんですよ。八田 最初に作った眼鏡も自宅で使っていますが、この前少し壊れまして直してもらったのですが、当時のカラーの部品が廃番だそうで。それだけ長く使っていたということですね。検査や調整も丁寧で、全国的チェーン店舗とは一線を画しています。そして、買ったり修理したりするたびに、久利さんがお手紙をくれるんですよ。「ありがとうございました」と。久利 お客様に「ありがとうございました」とお伝えするのは決して買ってもらったからではないのです。数あるお店の中から私どものところへお越しいただいている。そのことについて「ありがとうございました」という気持ちなのです。購入商品の高い安いではない。どんなお客さんでも粗末にしてはいけないのです。そして、母親からは子どもの頃、「あのお客さんのことを忘れたらあかんよ」と言われたんで県民の命と健康を守る兵庫県医師会のトップとして多忙な毎日を送る八田昌樹会長から、「一度対談したい人がいるのですが」というひと言が。そのご指名の方とは、神戸都心の地域づくりで精力的に活動し、神戸を代表する画家の一人の鴨居玲さんとの交流でも知られている、1932年創業の老舗眼鏡店、マイスター大学堂の久利計一社長。長い間顔見知りではあったが、膝を交えてじっくり語り合うのははじめてという今回、その場にはお互いをリスペクトする空気感が満ちていた。35

元のページ  ../index.html#35

このブックを見る