のドラマでは良い人の役でお願いしますね…」。そう依頼されたドラマが、翌2015年に放送され、これも大ヒットした『下町ロケット』だった。「日曜に放送され、視聴率が判明する月曜日にテレビ局から花束が贈られてくるんですよ。15%を超えるとですが…」と、笑みを浮かべながら映像の世界で知ったルールを教えてくれた。改めてテレビの影響力の大きさを実感したという。「放送された次の日に、街を歩いていたら、知らない人が声をかけてくれるのですから」俳優界にはいない独特の存在感を放つ役者を映画界も放ってはおかない。先月、封切られた人気ドラマの劇場版である『映画 マイホームヒーロー』(青山貴洋監督)の出演も話題を呼んだ。娘を守るため、暴力を振るう娘の彼氏を殺害するサラリーマンを演じた佐々木蔵之介と対峙する刑事を演じた。「『下町ロケット』の撮影現ドラマや映画にも出演してきた。長らく落語会のスーパースターとして君臨してきた師匠の談志が今から13年前。2011年に亡くなって以来、落語以外のメディアへの露出を意識してきたと言う。「30年か、50年か…。談志師匠は落語界全体の寿命を延ばしてくれた。自分は何年、それを延ばすことができるだろうか」と。そのための〝武器の一つ〟が俳優活動だった。それを実感する大きな転機は、師匠の死から3年後の2014年に訪れた。毎週日曜午後9時。かつてのお茶の間の人気ドラマ「東芝日曜劇場」の枠でこの年に放送された『ルーズヴェルト・ゲーム』(TBS系)への出演だったと振り返る。演出を担当していたのは、昨年、社会現象ともなった人気連続ドラマ『VIVANT』の福澤克雄監督。「今回は悪役だったから、次ロングランの独演会の真っ最中だ。いったい古典落語の演目を、いくつ覚えているのだろうか。「古典落語の演目の数は計500ほどあるといわれています。その中で300ほどは覚えました。そのうち持ちネタとしては80ほどあります」すぐにでも披露できる持ちネタだ。聞けば、師匠の立川談志から、「できるだけ多くのネタを持つように教え込まれた」と言う。覚悟の入門今から40年前、17歳で立川談志の元へ入門した。退路を断つ覚悟で、親の反対を押し切り、高校は中退した。「10代、20代の修行?厳しかったですよ」と包み隠さず打ち明け、「その経験があるからこそ、40周年の独演会を続けている落語家としての今があるのだと思います」としみじみと語る。落語界を牽引しながら一方で、俳優として数々のテレビ22
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