KOBECCO(月刊神戸っ子2024年6月号
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コレクションの対象には興味がないのです。結果ではなく、あくまでプロセスです。プロセスそのものが、作品といえるかも知れません。また、僕の作品の大半は未完成です。描き切ってしまうことには興味はないのです。プロセスの状態が作品なので、どうし普通、画家は主題も様式も固定させることによって評価されます。バラバラのスタイルの作品は、評価の対象にはなりません。でも僕は、そういう「生き方」には興味がないのでバラバラです。僕にとってのバラバラは、自由を意味しています。評価とかポスター(デザイン:横尾忠則)てもプロセスで筆をおいてしまうので、当然、未完ということになります。まあ、言葉を変えれば、未完という名の完成です。絵を鑑賞していただく時は、何を描いているのか、ということはどうでもいいのです。観る人は、必ず、何を描いているの17

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