彫るのが定番となりました。 さて、このように糸巻と壺が一体化した墨壺は、欧米には無く(欧米は分離式)、中国を初めとして朝鮮半島や東南アジア諸国など、中華文明が及んだ地域で使用されていることがわかっています。彫物を施す文化も共通しています。明治時代に来日し、大森貝塚を発見したことで知られる動物学者モースが、日本の大工が墨壺を使うのを見て驚き、アメリカでもこれを用いたらどうかと日記に残したことが知られています。造形だけではなく文化人類学的にも奥が深い道具といえるでしょう。(主任学芸員・坂本忠規)左:棟梁墨掛図案の墨壺 右:ベンガラを使う朱壺神戸市中央区熊内町7-5-1Tel.078-242-0216休館日:月曜日(祝日の場合は翌日)開館時間: 9:30~16:30 (入館は16:00まで)https://www.dougukan.jp/ TAKENAKA CARPENTRY TOOLS MUSEUM竹中大工道具館15
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