KOBECCO(月刊神戸っ子2024年6月号
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―菌を食べたり飲んだりして効果はあるのでしょうか。腸内細菌叢で体のさまざまな部分のバランスが保たれていることが分かっています。そこで、サプリメントや食べ物がいろいろ勧められているようですが「効果があるかもしれないし、ないかもしれない」という程度でしょうね。医療では、菌を移植する内科的治療も行われています。医学的効果が認められるものをきちんと見つけて、適切に摂取できるようにする必要があると考えています。―消化管がんの外科的治療とは?悪いところを取り除く方法として、昔はお腹を20センチ余り開け、大きな人間の手を入れる開腹手術が行われていました。小さな創(きず)で同じ作業ができないかと考案され普及したのが鏡視下手術︵腹腔鏡手術・胸腔鏡手術︶です。5〜12ミリの小さな創数か所からカメラと手術器具︵鉗子︶を入れてマジックハンドのように動かし、モニター画面を見ながら作業をします。さらに人間と同じ作業をやってくれる医療用ロボットが開発され、良く動く小さなロボットの手︵7ミリ︶によるロボット支援手術が導入されました。―神大病院ではそれぞれの手法を使い分けているのですか。2023年の食道がん手術では胸腔鏡手術が約4割、6割を占めるのがロボット支援手術で、24年には更に増えると思います。開胸手術は2015年の1例を最後に毎年ゼロです。胃がんでは腹腔鏡手術が5割以上、ロボット支援が約4割、大腸がんでは約7割が腹腔鏡手術、約3割がロボット支援手術です。―外科治療の技術はここまで進んでいるのですね。手術は局所的な治療ですから全身的な治療を考えるとさまざまな方法を組み合わせる必要があります。そこで週に1109

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