で、大便1グラムに約1兆個もの細菌がいるというお話に、会場のみなさまも驚いた様子でした。─いま注目されている腸内細菌ですね。頭司 腸内細菌はなんと1,000種類以上もあり、腸内にいる細菌の総重量は1.5キロにもなるそうです。腸内環境が有害菌優性になると有害物質や発がん性物質、細菌毒素が発生し、それが直接腸管にダメージを与えるだけでなく、粘膜のバリア機能や免疫力の低下を引き起こして有害物質が血中に移行、内臓に障害を引き起こし、がん、認知症、自己免疫疾患、肥満、糖尿病に結びつくと考えられるそうです。それだけでなく、腸内細菌は宿主の思考や行動にも影響を与えていることが細菌の研究で明らかになっていると、辨野先生はおっしゃっていました。大脳エネルギーの消費に腸内細菌が関与し、脳機能と腸の健康が密接に関係しているという先生のお話に、聴衆のみなさまも興味津々でした。─辨野先生の講演はどんなお話でしたか。頭司 まずはすこやかな排便についてからお話がスタートしました。便秘に悩む世代は何歳くらいだと思いますか?─高齢の方じゃないかと思いますが。頭司 いいえ、先生のご説明によると、意外にも上位は20代や30代など若い女性なんです。偏った食事や筋力の低下、ストレスがその原因だそうです。逆に最も下痢で悩むのは40代や30代の男性だそうです。─そもそも大便とは何でできているのでしょう。頭司 主成分は水で、80%ほどが水分だそうです。残りは生きた腸内細菌、腸粘膜、食べカス平成元年からはじまった講演会は今回30回目を迎え、「長寿菌がいのちを守る!〜健康長寿100歳を目指して〜」と題して宝塚ホテルで開催105
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