ハーバーランド一角に建つ高層ビルの18階。「お待ちしておりました、このロケーションは神戸で一番だと思います」。そう語るのは『神天樓 MINATO KOBE』プロデューサーの古野光幸さん。趣のある回廊を歩きながら案内する先には港町が一望できる想定外のパノラマ夜景が広がっていた。キャパ120席、大型の創作チャイニーズレストランが誕生してもうすぐ半年が経とうとしている。開店早々にSNS上で景色や料理を称える投稿を目にしてきた。ゆったり大人の空間を楽しみながら提供される四川と広東を融合したという創作料理の数々。デザイン性と機能性が高いことで知られる『グラススタジオ・ジャパン』の食器が映えを奏で、五感で楽しめる至福のひと時を演出している。「そろそろカクシボタンをご用意しますね」と言われ目の前に現れたラグジュアリーな肉料理。「こちら黒酢酢豚でございます」と言われ思わず二度見した。北海道・駒ケ岳の高い管理技術を誇る施設で成育した『ひこま豚』を使用。またの名を『SPF豚』とも呼ばれ特定の病原菌を保有しない特徴を持ち、臭みがなく脂身まで甘くて美味しい。芳醇な酸味とまろやかさがカリカリジューシーな豚肉と合わさり多様性を象徴する見事な逸品だった。古野さんが笑みを浮かべながら押したボタンに思わず「参りました」と頭を下げた。第125回市街地を眺めながら大人の中華を堪能『神天樓 MINATO KOBE』神戸のカクシボタンkakushi button写真/文 岡 力飲食店プロデューサー古野光幸さんの自信作(左)ランチ・コース・アラカルトと様々なシーンで活用できる(右)お店のカクシボタン「黒酢酢豚」■『神天樓 MINATO KOBE』神戸市中央区東川崎町1-5-7 カルメニ 18階【営】 11:00~15:00(L.O. 14:30)17:00~21:30(L.O. 21:00)【電】078︲335︲8037■岡力(おか りき)コラムニスト・放送作家ふるさとが神戸市垂水区。関西の大衆文化をテーマとした執筆・テレビ、ラジオ番組を企画。日本放送作家協会関西支部事務局長。大阪芸術大学短期大学部(伊丹学舎)、神戸電子専門学校 非常勤講師。97
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