KOBECCO(月刊神戸っ子)2024年5月号
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レステロールが高いものはやはり美味しいですね。忙しいのでついファストフードで済ませてしまったり、夜遅くまで仕事をして睡眠不足になったり、運動不足になったり…することも多いのではないでしょうか。生活習慣病で、代表的な高血圧は、心臓にも脳血管にも影響を与えます。そのため、生活習慣が改善されない場合は、薬で加療することになります。内科の先生方は、将来的な心疾患や脳血管疾患を予防することを目的として、血圧管理をされるので、ぜひ指示通りに服薬していただきたいと思います。生活習慣の中でも喫煙は明らかに良くありません。下肢動脈閉塞症の大きな原因にもなっています。禁煙は努力でなんとかできる予防法です。ぜひ挑戦していただきたいと思います。川森先生にしつもんQ.大学で学生さんを指導するにあたって心掛けておられることは?A.試験に通って入学してきた学生たちですから、勉強は大丈夫なはずです。実際の診療に大事なのは、患者さんとしっかりコミュニケーションをとることです。これはどんな仕事に就いても同じですね。現場で経験を積んで、患者さんに信頼されるような医師になってほしいと話をしています。Q.患者さんに接するにあたって心掛けておられることは?A. 病気や治療について患者さんには分からないことがたくさんあると思います。中でも循環器内科の治療は高齢の患者さんに対することが多く、また病気や治療の内容が複雑化してきているので、理解していただくのはとても難しくなっています。どこまで納得して治療を受けていただいているのか?不安になることもあります。そこで、患者さんご本人、また可能な限りそのご家族にも同席する機会をつくっていただき、時間をかけて丁寧に説明することを心掛けています。Q.川森先生ご自身の趣味やリフレッシュ法は?A. 私は古いタイプの人間で、父もそうだったように、仕事を優先した生活になっていると思います。心臓の病気は時間や曜日を選んでやってきませんし、急を要する場合もあるため、忙しいことも多いです。自分や家族のための時間は、必然的に少なくなります。このような考え方を、理解してくれている家族に感謝しかありません。実は、高校生の娘の試合を見に行くのが非常に楽しみで、応援しているのに気づかれると、「緊張する」と言われるので、家内とこっそりと応援しています(笑)。娘の勉強にクラブ活動に頑張っている姿を見ると、「自分も頑張らないと」と思って、私と家内の日々の原動力になっています。Q.川森先生はなぜ医学の道を志されたのですか。中でも循環器内科を専門にされた理由は?A. 父も同じ医師でしたので、その影響があったと思います。父が専門としていたのも循環器でした。循環器内科病棟が他の診療科と違うのは、モニター心電図の音が常にピピッ、ピピッと鳴っていることです。緊迫感があって、学生の頃はちょっと怖くてその場にいることもしんどいと思っていました。医師免許を取得し、日々診療している中で覚悟が出来たのか、結果的には「頑張ろう」と思って、父と同じ道を選ぶことになりました。95

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