KOBECCO(月刊神戸っ子)2024年5月号
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薬としても使われています。また、狭心症や弁膜症、不整脈に対して経皮的に(大きく切開せずに、皮膚を通す)カテーテルを用いて行う治療「血管内治療」は循環器内科で行っています。―血管内治療とは?心臓を養うための血管である冠動脈に問題が起きる狭心症では、手首の動脈から細い管を通し血管が狭くなっている部分までバルーンやステントを運び、膨らませて血管を押し広げ血液の流れを改善させます(経皮的冠動脈インターベンション)。心臓の中にある4つの部屋を仕切る弁に不具合が起きる心臓弁膜症では、内科的に心臓の負担を減らす薬を使い、それでも対応できなくなった場合には、外科的な弁置換術や弁形成術を心臓血管外科の先生方にお願いします。ここ数年、この領域で、循環器内科医が経皮的にカテーテルで治療を行うことも増えてきています。大動脈弁狭窄症に対しての治療である経皮的大動脈弁留置術(TAVI)は、その一つです。これは、主に、足の付け根の動脈である大腿動脈などの太い血管から、カテーテルを通して新しい弁を傷んだ弁の位置まで運び、拡げて置き換える治療です。局所麻酔で可能で、小さな傷ですみ、人工心肺を用いない治療のため、高齢の患者さんや外科手術が難しい患者さんに適しています。93

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