循環器内科では体のどの部分のどんな病気に対して診療が行われているのでしょうか。神大病院ならではの先進的な治療法やチーム医療のことなど、川森裕之先生にお聞きしました。―「循環器」とは体の中のどの部分を指すのですか。「循環」とは血液やリンパ液の流れを指し、それに関わる器官を意味するのが「循環器」です。一般的には血管と、それに関わる器官として主に心臓を指します。―循環器内科の役割はどの範囲ですか。心臓や足の血管の病気を治療するのが循環器内科の主な役割です。心臓を取り囲むように走る血管「冠動脈」に関わる病気で「虚血性心疾患」と総称され、血管が細くなったり詰まったりして必要な酸素や栄養が心臓まで届かなくなる狭心症や心筋梗塞などを指します。足の血管の病気としては、足の血管が詰まり血液がその先へと流れなくなり、歩けなくなったりする「下肢閉塞性動脈硬化症」が挙げられます。循環器内科には「診断」という役割もあります。例えば、心臓から全身に血液を送り出す大きな血管「大動脈」の治療は心臓血管外科の先生方が得意とする領域です。その疾患の診断には循環器内科の役割も大きく、心エコー検査や造影CT検査を行い診断し、内科的に可能な範囲での治療をします。外科的治療が必要な場合が多く、心臓血管外科の先生方に引き継ぎます。―内科的な治療とは?主に薬による治療で、皆さんに馴染みがあるものには血圧の薬がありますね。それらの中には心臓を保護する作用を備えている薬もあり、心不全の治療神大病院の魅力はココだ!Vol.31神戸大学医学部附属病院循環器内科川森 裕之先生に聞きました。92
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