KOBECCO(月刊神戸っ子)2024年5月号
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ビルの2階、エレベーターを降りてすぐ美食のステージがスタートする。海を表わす壁、淡路島の土で造られたカウンター、山を感じる木の飾り壁など、海や山に抱かれた神戸の空気感に満ちている。店を営むのは世界最高峰のフレンチの世界大会で入賞を果たし、世界的に名が知られる髙山英紀さんだ。2022年に自身の想いを詰め込んだ集大成として開業。「日本人だからこそ表現できる意義のあるフレンチを。料理は当然、内装や器、カトラリー全てで日本人ならではの繊細な作品を提供したい」。花や新芽、雨の雫など、季節を映す料理は髙山氏曰く、印象派の絵画。モダンアートに傾倒せず、素材の個性を素直に見極めて表現する。「折り紙」と名付けられたスペシャリテの帆立貝と人参のシャルトリューズ、ミルクレープ寿司など日本の文化や和食材を縦横無尽に融合。コースを食べ終わる頃には見事な交響曲のステージを味わったかのように心が満たされる。髙山氏の尽きることのない発想の泉から生まれる究極のフレンチ。「私達だけの秘密」を意味する店名が腑に落ちる、本質を知る美食家なら押さえておきたい“稀有な1軒”だ。entre nous神戸市中央区中山手通1-25-6 ラ・ドルレイ神戸三宮ビル2F078-855-357118:00~19:00に入店、22:30まで。土日祝は夜のコースをランチでも提供火・水曜日定休「幸せのレストラン」は第1・3金曜に実施「幸せのレストラン」摂食嚥下障害をお持ちの方が安心して食事できる特別コースを月2回提供ウイスキー「山崎」の香りをまとった毬栗仕様の栗のデザート春の解禁を迎え、空輸で届くフランス産ホワイトアスパラガス新緑をテーマにした料理カウンター席でシェフとの会話も楽しい7

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