KOBECCO(月刊神戸っ子)2024年5月号
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左から、堀之内礼二郎さん、富田望生さん、山之内すずさん、安達もじりさんどんな人にもあると取材を通して知りました」と堀之内さん。街には変わらず、様々な理由で傷つき苦しむ人がいる。また人の心に寄り添う映画を作ろうと、再び制作チームを結成しました。主人公の灯(あかり)役は、NHK朝ドラ『ブギウギ』で小夜ちゃんを好演した富田望生さん。監督は朝ドラ『カムカムエヴリバディ』で演出を担当した安達もじりさん。安達さんは、「毎日生きる、明日も生きるってどういうことだろう。“明日もがんばって生きよう!”ではなくて、“明日もただ生きる”という些細なことを考えたい、伝えたいと思っています」。神戸だけではない、どこに住んでいても、誰もがふと感じる“しんどさ”を癒すとはどういうことだろう。39歳で亡くなった安克昌医師の志が映画に込められ、来冬、全国に届きます。【監督】安達もじり【出演】富田望生 伊藤万理華 青木柚 山之内すず中川わさ美 MC NAM 田村健太郎 土村芳渡辺真起子 山中崇 麻生祐未 甲本雅裕【スタッフ】脚本 川島天見・安達もじり(NEP)、エグゼクティブプロデューサー 大角 正、プロデューサー 城谷厚司 堀之内礼二郎(NEP) 安成洋、取材 京田光広(NEP)【製作】 ミナトスタジオ  https://twitter.com/minatostudio117【配給】太秦【物語】主人公は、阪神・淡路大震災の1ヶ月後に長田で生まれた在日韓国人三世の金子灯。家族は、震災後、長田を離れて仮設住宅に移り、その後復興住宅で暮らします。震災で家も仕事も失い、家族の生活は荒廃していきました。幼い頃から家族との確執を抱え、家を飛び出すことばかり考えてきた灯。なぜこの家族に生まれてきたのか。家族と私、国籍と私。双極性障害を発症し、回復を目指していく中で希望を探し続ける日々。時を経て障害との付き合い方がわかってきた灯は、新しい職場で長田区にある丸五市場の再開発計画と関わることに。コロナ禍を経て、様々な人々と出会い、支えられ、心を通わせ、家族とも向き合い、長い時間をかけて、人生にかすかな光を見出していきます。2013―2025年、高校卒業から12年間に及ぶ主人公・灯の模索の日々を、神戸の喧騒を舞台に繊細に紡いでいくオリジナルストーリーです。27

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