KOBECCO(月刊神戸っ子)2024年5月号
23/136

を手伝ったキャリアを持つ日本通でもある。『東京カウボーイ』で、井浦さんが演じたのは、東京の会社でブランドマネジャーとして働く〝敏腕ビジネスマン〟のヒデキ。会社の上司で長年婚約中の恋人、ケイコ(藤谷文子)と東京で一緒に暮らすための新居を探していた。一方、ブランドマネジャーとして、米モンタナ州で経営不振に陥っている牧場を立て直す計画を練っていた。ヒデキは神戸牛を育てる名人、ワダ(國村隼)を連れて、渡米するが…。「モンタナ州で約15日間、撮影が行われました。初めてのアメリカでの映画撮影は、日本とは勝手が違って本当に戸惑うことばかりで。モンタナへ出張したヒデキの現地での戸惑いと、まったく同じ心境でした」と苦笑しながら打ち明けた。恋人のケイコ役を演じた藤谷さんは、今作では脚本家としても関わっている。「米国での暮らしが長い藤谷さんには、撮影現場でも、また、米国滞在中の生活面でもる実力派俳優が、しみじみと、謙虚かつ真摯に語る表情が強く印象に残った。マーク・マリオットは、日本映画が好きで山田洋次監督に弟子入りを志願。『男はつらいよ』シリーズの海外ロケで撮影親切にサポートしてもらい、本当に感謝しています」自信家のヒデキが意気揚々とモンタナへ乗り込むが、現地の牧場主たちとの交渉でつまづき葛藤する姿。そんなヒデキを心配し、陰から激励するケイコ…。映画『東京カウボーイ』のワンシーン。日本から単身、渡米した井浦さんとモンタナで奮闘するヒデキの姿とが重なり合う瞬間だ23

元のページ  ../index.html#23

このブックを見る