映る」と言っている、評しているのです。大江さんの言葉に対して、小澤さんが知的に反応しないことに対する批判にも映るのですが、小澤さんの、大江さんの言葉に対しての反応ですが、僕は、芸術家は何も学者のように言葉を巧みにあやつる必要など毛頭ないと思います。禅者の鈴木大拙は、霊性について語る時、本当に霊性を体感している人間は、むしろ、愚鈍、無知蒙昧な人達であると言っています。先月号に書いたように、本当に霊性を宿した人は、知性を最優先した知識人よりは、逆に超越した人間であると思うのです。カシコクあるよりは、むしろアホであることの方が、頭脳的人間よりも、魂と一体化した実践的な人間であると思うのです。脳は感情の支配を受けているので、悩み多い存在ですが、魂は肉体と共存しているので、脳のようにウソをつくことはないのです。肉体は実に正直です。肉体を痛めれば、即「痛い」と反応します。寒ければ「寒い」と反応します。脳は寒くても我慢して「寒くない」小澤征爾さんと。行きつけの成城のそば屋で。(2014年)1717
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