KOBECCO(月刊神戸っ子)2024年5月号
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藤新が師のテイストを受け継いで設計していますが、その計画を立てたのは、ライトの名作で現在も一部が明治村に保存されている帝国ホテルで支配人を務めた林愛作です。さらに、ライトは1905年に神戸を訪ねています。その来日時に彼が撮影した写真55枚のうち5枚が神戸で撮ったもので、生田神社と兵庫大仏が写っています。そんなライトだからこそ、彼の思想やデザインは神戸や阪神間の文化や風土とマッチするのかもしれません。平尾工務店がお届けする「オーガニックハウス」は、有機的建築と呼ばれる彼の理念を「正統に」継承、具現化した住まいです。部屋という「箱」から脱却し、空間のつながりと抑揚でドラマチックに構成した室内の演出。素材を巧みに使い分け、内と外の連続を感じさせる視覚的効果。伸びやかな水平のラインとリズミカルな窓の配置から生み出される外観の美。そして人間の体のサイズを基としたスケールが醸す高い機能性や快適性など、その特長は枚挙に暇がありません。住み心地の良い街で、住み心地の良い家を。フランク・ロイド・ライトゆかりの「オーガニックハウス」が、神戸や阪神間にもっと根付くといいですね。神戸東モデルハウス「RATTENBURY(ラッタンバリー)」133

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