KOBECCO(月刊神戸っ子)2024年5月号
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MORRISMINICOOPERS映  画:『ミニミニ大作戦(The Italian Job)』 1969年 イギリス・アメリカ 99分登場車両:モーリス ミニ クーパーSandcarsMovie ロンドンの刑務所を出所したチャーリー(マイケル・ケイン)は、服役中に刑務所内で絶大な権力を持つブリッチャーに接触、彼の支援を得てイタリアのトリノで400万ドルの金塊を手に入れる作戦を立て実行することになる。運転、爆破、コンピューター、他、様々な分野のプロがチャーリーの元に集まり作戦前の綿密なシミュレーションとトレーニングを進めた。作戦用に赤白青(ユニオンジャックカラー)の3台のミニクーパーSが用意され、機動用車両や金塊を積んでイタリアを脱出するためのバス、ジャガーやアストンマーチンに分乗してトリノに向かった。途中、マフィアの手荒い歓迎を受けジャガーなど3台を失ったが何とかトリノに到着、作戦実行の準備が整った。トリノ市内の信号を制御するコンピューターをハッキングして市内は大渋滞になる。その混乱を利用して見事に金塊を手に入れ3台のミニに積み込んだ。ミニとトリノ市警のアルファロメオ・ジュリアスーパーとのカーチェイスが繰り広げられる。全長305センチ、全幅141センチという小さい車体を活かして渋滞をものともせずトリノ市内の建物やアーケード街を横切り、ビルを飛び、地下道を走り、下水道を抜け、川を走り、トリノ市警の車両から逃れた。作戦通りにチャーリー達はバスに金塊を積み替えてイタリアから脱出するのだが、アルプスを越える峠道で作戦成功に浮かれたドライバーがハンドル操作を誤りバスが脱輪し横滑り、急峻な崖でバスの後部半分が宙に飛び出し前部が道路に残った状態で止まる。シーソーの様に揺れるバス、宙に浮いた後部には金塊、前部にチャーリー達。バランスを崩すと金塊はバスと共に崖底に落ちる。金塊はじりじりと後部に滑り始めた。チャーリーは「いい方法がある」という。さて結末はどうなるのか、金塊を獲るか否かはご想像に?と、エンドロールが流れる。冒頭にはランボルギーニ・ミウラLP400がワィンディングロードを快走。アストンマーチンDB4コンバーチブル、ジャガーEタイプ、フィアット・ディーノクーペ、など名車が登場する。市街地映像の車や建造物を見るのも面白い。イタリアの全面的協力を得て撮影された映画であるが、ミニ(イギリス車)に軍配が上がる。原題は「イタリアン・ジョブ」と、イタリア(トリノ市警)の後手ぶりを取り上げて、かなり皮肉な原題であるが、それを容認するイタリアの度量と大らかさ。2003年にリメイクされニュー・ミニ(BMW傘下における初代ミニ)3台がロサンゼルスを走り回る。いずれもカーチェイスの撮影に大きな影響を与えた作品。Sarnia@shutterstock1967年 モーリス ミニ クーパーS(1275クーパーS)ミニと言うとクラシックミニを思い浮かべる。小さい外観であるが中は意外と広くて軽い車体、ゴーカートの様にクイックなハンドリングで街中を軽快に走ってくれる。アレック・イシゴニス博士を中心としたブリティッシュ・モーター・コーポレーション(BMC)の設計チームが1台の2ボックスカーを誕生させ、1959年にBMCが保有するオースチン社とモーリス社から販売が開始された。劇中のクーパーSはモーリスのプレートが付いている。698Kgの車重、全長305cm、全幅141cm、全高134cm、と小型軽量。直列4気筒 OHV 1,275㏄nエンジンは76馬力を発生させ4速MTを介して最高速160Kmに誘う小型2ボックスのスポーツカーである。今もクラシック(ビンテージ)ミニは人気があり、高額で取引されている。ニュー・ミニは2001年に発売開始、2024年に3度目のフルモデルチェンジで第4世代となる。サイズは大型化されたがミニの伝統を受け継ぎながら時代を先取りしたデザイン、機能性、操縦性の良さは流石である。近日中に新しいMINIが日本の街中を快走する姿が見られる。文・株式会社マースト  代表取締役社長 湊 善行10

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