KOBECCO(月刊 神戸っ子)2024年4月号
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街なら面白い家族の物語が作れると思いました。高学歴でエリートだった娘がニートのような暮らしを始めます。演じた江口のりこさんとの親子の会話が自然でした。関西のどこにでもいる親子です。優秀なのにこじらせてる江口さん、いいでしょ(笑)。演出してどうこうなる“間”じゃない。今回のキャストに関して僕の唯一のわがままが、“ネイティブで作りたい”だったんです。関西の家族関係って、言葉で説明できない、関西人じゃないとわからない空気感があると思っているので。中条さん、江口さんが引き受けてくれて、鶴瓶さんが引き受けてくれて、中村ゆりさん、中林大樹さん、駿河太郎さん、佐川満男さん、久保田磨希さんと関西人の役者が揃ってきたときに「これは面白くなる!」と思いました。W主演のもう1人、中条あやみさんの関西弁には驚きました。2時間のフルスロットル(笑)。大阪・阿倍野区出身と聞いて相談に行ったんです。僕が関西人と知ると中条さん、関西弁で話し始めて。すぐに「この関西弁で演じて欲しい」と思いました。東京ガールズコレクションのランウェイをかっこよく歩く中条さんが、町工場や家の台所で関西弁でポンポンと話す。僕も大好き(笑)。撮影の現場スタッフもほとんどが関西人でしたから、カメラが回っていないところでの会話もほんと面白かったです。家族には悲しい出来事も起こります。お父さん以外の”あまろっく“な人たちが見えてきますね。悲しくても辛くても生きていかなきゃいけないですからね。関西の人間の“生きる強さ”を描くには、阪神・淡路大震災の経験に触れざるを得ませんでした。それまで僕は避けてきたんです。物語にすることではないと思っていましたから。でも約30年後の今、震災が60代の竜太郎の人48

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