KOBECCO(月刊 神戸っ子)2024年4月号
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いが、瞳には力が漲っていた。一期一会は舞台も同じという。「これが最後になるかもしれない」そう思ったら一切、妥協はできない。50年の節目は、まだほんの通過点に過ぎない。てくることは、もちろん運も大きいとは思いますが、この運をつくり出しているのは、結局は自分の日頃の努力だとも思うんです」現在、4月の本番の舞台に向けて、稽古に余念がない。新歌舞伎座に立つのは2021年の舞台『魔界転生』以来3年ぶりで地元・関西での公演に力が入る。「高校生をはじめ、幅広い年齢層のキャストが出演しますので、どんな世代の方に観ていただいても楽しめる内容だと思います。青春を謳歌する素晴らしさ、その感動を直にお届けできたら」この日の取材の冒頭、浅野さんが語った言葉が強く印象に残った。今年の元旦に起きた能登半島大震災に触れ、「私たちは、いつ何が起きてもおかしくない世の中で生きていることを改めて実感し、今、一期一会の大切さをより、かみしめながら生きています。この取材も同じです。一期一会かもしれませんね」と謙虚に語る表情は優しす」もちろんドラマや映画など映像で演じる芝居にもそれぞれの魅力があるという。だが、「演じた瞬間、お客さまの反応を間近に感じることのできる舞台での充実感は格別です」とも。今年、デビュー50周年の節目を迎えた。半世紀もの間、エンターテインメントの世界で第一線に立ち続けてきた。一昨年夏にはコロナ禍を乗り越え、舞台『ゲゲゲの鬼太郎』で、妖怪の砂かけばばあの役を演じて話題を集めるなど、60代に入っても演技の幅を広げ続け、芝居に懸ける情熱が色褪せることはない。この若さにバイタリティー、原動力はいったいどこから生まれてくるのだろうか?そう聞くと、しばらく考えた後、こう口を開いた。「生意気かもしれませんが、誰しも、みんな人生の中で、いくつものチャンスが巡ってきていると思うんです。ただ、そのチャンスをつかみ取ることができているか…。チャンスがめぐっ『新生!熱血ブラバン少女。』■日時:4月26日(金)~28日(日)■料金:S席 12,500円、A席 9,000円、B席 5,000円(税込)■出演: 博多華丸 紅ゆずる、鈴木梨央/星野真里 斉藤優(パラシュート部隊)、小林大介(花組芝居) 森保まどか、上西怜(NMB48)、神田朝香、古川あかり 宇梶剛士、浅野ゆう子 精華女子高等学校吹奏楽部■作:G2 ■演出:加納幸和(花組芝居) ■企画・制作:博多座■主催:新歌舞伎座/ぴあ株式会社/チケットぴあ九州株式会社●新歌舞伎座テレホン予約センター 06-7730-2222(10時~16時)●新歌舞伎座ネットチケット https://shinkabukiza.pia.jp/24

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