KOBECCO(月刊 神戸っ子)2024年4月号
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たちまちアイドル歌手として活躍。映画やドラマ出演も相次ぎ、1988年、ドラマ『君の瞳をタイホする!』『抱きしめたい!』など話題作への出演が相次ぎ〝トレンディードラマの女王〟と呼ばれるように。また、『抱きしめたい!』で共演した浅野温子さんと2人で〝W浅野〟と呼ばれ、髪型やファッションなどを真似する女性が急増し、社会現象ともなった。ところが、そんななか、ある大先輩の俳優からかけられた言葉が女優人生を変える転機となる。「ドラマへの出演で忙しかった時期でした。森繁久彌さんからこう言われたんです。『ゆう子、お前は〝紙芝居(映像)〟ばかりに出ていないで、舞台に出なさい』と」ドラマへの出演依頼は途絶えず〝トレンディードラマの女王〟と呼ばれている自負もあった。だから、「そういう森繁先生だって、ずっとドラマや映画に出ていらっしゃるのに…。な浅野さんは神戸市の出身。「13歳でデビューしましたが、神戸には中学1年生の頃までいて、その後、東京の中学校へ転校。幼いころ、母が連れて行ってくれた神戸まつりが印象に残っていますね。オープンカーに〝ミス神戸〟の方が乗って沿道へ向かって手を振っていたら〝あなたもいつか、あのオープンカーに乗るのよ…〟なんて言われていました(笑)。母は宝塚歌劇も大好きで、〝あなた、歌劇団へ入るのよ〟ともいわれていました」と笑顔で振り返る。今回の舞台で女子高生たちの青春が描かれることに触れ、「私が東京の堀越中学校へ転校したその翌年。堀越高校が甲子園に出場したんです。堀越中学の生徒も先輩たちを応援するためにチアガールとして甲子園に駆け付けたのですが、そのとき、私は仕事が入っていて、みんなと一緒に行けなかった。今、改めて、あのとき甲子園のスタンドで応援したかったな、と思います」としみじみと語った。1974年のデビュー以来、城門や部員たちにつらく当たる敵役(かたきやく)のような存在。そんな校長を演じることについて、「私はこれまでヒール役を演じることが結構多かったですからね」と笑いながら、「実はヒール役を演じることが好き。今回、登場するキャラクターはみんないい人ばかり。せっかく私が演じさせていただくのだから、華丸さんをいじめたいと思っていますよ(笑)」と意気込みを語った。西北女子学園吹奏楽部のモデルは、福岡県の精華女子高等学校吹奏楽部だ。全国の吹奏楽コンクールの常勝校で、今回の舞台では、俳優たちと一緒に現役部員たちが、この舞台のために作られたオリジナルの曲を演奏するという。「現役部員の女子高生たちとの共演は本当に楽しみ。約50人の演奏は大迫力で、私自身、舞台の上で、彼女たちから感動とエネルギーを感じとりたいと思っています」神戸から上京しデビュー22

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