KOBECCO(月刊 神戸っ子)2024年4月号
15/148

千代鶴是秀の切出小刀(右から「天爵(てんしゃく)」「古城(こじょう)」「漣(さざなみ)」「矢笛(やてき)」)神戸市中央区熊内町7-5-1Tel.078-242-0216休館日:月曜日(祝日の場合は翌日)開館時間:9:30~16:30(入館は16:00まで)https://www.dougukan.jp/ TAKENAKA CARPENTRY TOOLS MUSEUM竹中大工道具館戦後の十年間、魚、鳥、竹、月、筆、犬、瓢ひさご、ヤリガンナ、薙なぎなた刀など造形豊かな切出小刀を世に出しています。その背景には大工や建具などの職人の枠を超え、朝倉文夫らの彫刻家や工芸家、茶人など芸術家と呼ばれる人々との交流が影響しているといわれています。当館の常設展では千代鶴是秀の切出小刀4点を展示しています。それぞれ表面仕上げの趣が異なっています。中でも「天てん爵しゃく」は「七十八翁長運斎千代鶴是秀」と銘を切り、デザインのモチーフがヤリガンナであることを木箱の裏書に明記しています。これらは千代鶴是秀の鍛治としての高い技術と切出小刀に対する並々ならぬ制作意欲と研究心を物語っています。(学芸員・崔ゴウン)15

元のページ  ../index.html#15

このブックを見る