KOBECCO(月刊 神戸っ子)2024年4月号
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空前の町中華ブームが到来している。ここ神戸でも昼時になると激戦区である鯉川筋沿いには中華の口をした老若男女が緩やかな坂道を行き来している。様々な個性を持った専門店が点在する中、ひときわ目立つ赤い看板が目印の『百味大厨』は2022年創業と後発だが話題を呼んでいる。「いろいろな味をお客様に提供したい」。その言葉どおりオーナーシェフの房楽春さんが奏でる中華料理は一言で形容することができない。労力を惜しまず市場で仕入れるという新鮮な食材、点心から調味料に至るまで手仕事にこだわる想いは多くのリピーターを虜にする。その味を一気に楽しみたいという方にオススメするのがランチメニューの『飲茶セット』(前菜3品、汁麵、エビマヨネーズ、手づくり点心3品、麻婆豆腐、白飯、ソフトドリンク、杏仁豆腐)。刺激、旨味、塩味…と様々なボキャブラリーが身体を巡り、まさに百味といえる。夜メニューで人気の特製『肉団子煮込み』は肉料理の概念を覆す逸品。「いつ来ても、いろんな味が楽しめますね」とお腹をさすりながらレジで再訪を誓う。第124回味の変化を五感で楽しむ本格中華料理店『百味大厨』神戸のカクシボタンkakushi button■岡力(おか りき)コラムニスト・放送作家ふるさとが神戸市垂水区。関西の大衆文化をテーマとした執筆・テレビ、ラジオ番組を企画。日本放送作家協会関西支部事務局長。大阪芸術大学短期大学部(伊丹学舎)、神戸電子専門学校 非常勤講師。写真/文 岡 力(上)目で楽しめる絵画のような盛り付け(下)出汁が効いた優しい味『肉団子煮込み』最高の贅沢が味わえる飲茶セット■『百味大厨』神戸市中央区下山手通4-1-17丸中ビル102【営】11時30分~14時00分/17時30分~21時00分【休】不定休【電】078-380-5658113

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