KOBECCO(月刊 神戸っ子)2024年4月号
103/148

当時の機関車の能力ではこられを乗り越える勾配を登れないという難題が。そこで天井川の川底にトンネルを開削するという手法を採ったが、このことは鉄道発祥の地、イギリスでも大ニュースになったという。また、当時の時刻表や運賃も紹介。それまで通常で1泊2日、急いでもまる1日はかかった大阪~神戸間の所要時間がたった1時間ちょっとに激減する。その運賃は下等で40銭、米価を基準に現代の価値に置き換えると4千円くらい。いまの運賃460円と比べると高いが、これだけの時間短縮効果からすると妥当ではないかという見解に、頷く聴衆もちらほら。さらに全国の鉄道網の形成や、阪神・阪急・山陽など電鉄の創設などを、産業や社会の近代化や日清・日露戦争ほか歴史的背景との関わりを読み解きながら解説し、歴史の潮流の中で阪神間の鉄道がどのように発展してきたかをわかりやすく。「駅」という言葉の本来の意味や、神戸駅の大時計と東海道本線・山陽本線の境界、日本で最初の駅弁などのエピソードも興味深く、充実した内容の講演会は万雷の拍手に包まれ幕を閉じた。ミュージアムにニュージーランドがやってくる日 時 4月20日(土)13時~15時30分会 場 兵庫津ミュージアム参加費 500円(NZ学会員・ミュージアム倶楽部会員は無料)主 催 ニュージーランド学会内容:「ニュージーランドの風土と文化」「NZ固有の動・植物と保護区観光」「先住マオリの文化」「世界初のNZ法律制度」「ニュージーランドの語学留学事情」ニュージーランド学会顧問兵庫津ミュージアム名誉館長 田辺眞人ニュージーランド学会会長 太谷亜由美神戸大学国際文化学協力研究員 土井冬樹岐阜大学名誉教授 近藤真国立ワイカト大学日本事務所所長小池泰司103

元のページ  ../index.html#103

このブックを見る