KOBECCO(月刊 神戸っ子)2024年3月号
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つこれらをいかにレベルアップさせていくのか、ということに今まで取り組んできました。一方で、電気自動車ですが、自動車そのものの現在の課題として電池の性能があります。電気自動車が一回の充電で走れる航続距離を伸ばすためには、タイヤも協力をしていかなければなりません。すなわち、「電費(低燃費)性能」に力を入れた製品になります。電気自動車用のタイヤとしてのもう一つの特徴が「静粛性能」です。電気自動車はエンジン音がしないため、路面やタイヤからの音を感じやすいと言われており、音に対する性能改善がより求められています。そして3つ目の特徴は、「耐摩耗性能」がよりシビアに評価される点です。電気自動車は、従来のガソリン車よりも加減速が自由自在であることと、現状はかなり重量があるのでタイヤに負荷がかかります。従来の性能要求の延長線上にあるものにはなりますが、プラスαもっと強化をしないといけません。また、タイヤの性能向上だけではなく、先ほどお話ししました「センシングコア」など当社独自の技術を組み合わせることで、将来のモビリティ社会に幅広く貢献していきたいと考えています。「センシングコア」で得た情報は自社だけでなく、他社とも共有するイメージでしょうか?はい。自動車メーカーさまには、実際に路面に接しているのはタイヤなので、タイヤから得られる情報は非常に有用であると期待されております。このように皆が情報を共有することによって、利用者にとっては利便性や安全性が上がりますし、メーカーにとっては、自動運転など新しい技術の発展に繋がると思います。ウエット路面でもアイス路面でも高いグリップ力を発揮するタイヤ技術、「アクティブトレッド」というものを発表されました。タイヤというのは雨が降ると滑りやすくなるし、温度が下がるとゴムが硬くなって滑りやすくなります。雨や雪の日でも晴れの日と同じように安心して走れるタイヤはできないか?つまり、天候によって変化する路面環境に対応して安全・快適に運転できるタイヤ作りに挑戦しています。アクティブトレッドは水や低い温度でゴムが柔らかくなり路面にしっかり密着す次世代オールシーズンタイヤを2024年秋に発売予定新構想のタイヤ技術!アクティブトレッド34

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