KOBECCO(月刊 神戸っ子)2024年3月号
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将棋は9×9のマス目の盤と40枚の駒を使うゲームです。20枚ずつの駒を一手ずつ動かしていき、一番大事な王将を相手に取られたら終了します。世界中に同じようなゲームがありますが、日本の将棋には相手の駒を取ったら自分のものにして、また使えるという特徴があります。1610年ごろ、当時の人が指した将棋の記録「棋譜」が残っているのでこのルールになったのは400年以上前だと言われています。人工知能AIを使った研究によるとオセロゲームはお互いが最善を尽くせば32対32の引き分けに終わる、という結果が出たそうです。複雑で難しいルールがある将棋ではAIが結果を出すのはもう少し先になりそうです。私は5歳で将棋と出会い、勝ち負けがはっきりつくところが楽しくて熱中しました。小学5年生で「プロ棋士になりたい」と将棋連盟奨励会に入り、中学2年生でプロ棋士になりました。21歳のとき、史上最年少で「名人」というタイトルを取り、35歳で5回目の名人を取って永世名人の資格を頂きました。将棋を続けてきたからいろんな力がつきました。駒の動かし方やルール、勝つための戦術を覚え、記憶力がつきます。対局では次の一手を考える思考力、長い対局では集中力、いくつかの手の中から次の一手を選ぶ決断力が養われました。「身につけよう」と思ってつくものではなく、好きなことや得意なことに打ち込んでいると自然に身につきます。皆さんもいろんなことにチャレンジしながら楽しいこと、面白いこと、できれば頭を使うことと体を使うことの2つを見つけてもらえたらいいなと思います。複雑なルールがある将棋は難しいけれど、面白いいろんなことにチャレンジして、好きなことを見つけよう25

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