KOBECCO(月刊 神戸っ子)2024年3月号
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2025年、大阪・舞洲で開催予定の「大阪・関西万博」に合わせた特別上映会「大阪万博と勅使河原宏」では、映画『1日240時間』(勅使河原宏監督)が上映される。1970年に開催された大阪万博の自動車館で4面のスクリーンに投影された、当時、画期的な実験映画といわれたミュージカル調のSFファンタジー映画の復元版で、「脚本はなんと作家、安倍公房が手掛けていたんですよ」と暉峻さんは説明する。カーマニアとして知られる安倍は、当時、自動車館のシンクタンクのメンバーにも加わっており、その縁で同映画の脚本を書いたそうだ。同作の復元に関する講演も行われる。『1905年の冬』(ユー・ウェイチェン監督)は今から43年も前、1981年に製作された作品だが、日本公開は今回が初となる。台湾ニューウェーブを代表する名匠エドワード・ヤン監督が初脚本を手掛けている。「彼が映画の世界へ入るきっかけとなったいわばデビュー作です。俳優として出演もしています。また、香港映画界の大ベテラン、ツイ・ハーク監督も俳優として出演しているので、台湾、香港、アジア映画ファンは必見です。お見逃しなく」と暉峻さんお勧めの貴重な一本だ。映画祭の期間中は、作品とともにアジア各国から監督や俳優、プロデューサーたちも数多く来阪する。作品上映の後には質疑応答なども予定されており、「関西で映画を通じ国際交流できる貴重な機会として、ぜひ、その華やかな雰囲気も堪能してほしい」と暉峻さんは呼びかけている。上映スケジュール、作品情報などについては、大阪アジアン映画祭 公式HPにてご確認ください23

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