KOBECCO(月刊 神戸っ子)2024年3月号
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世界初上映となる『水深ゼロメートルから』はベテランの領域に入ってきた山下敦弘監督が得意とする青春群像劇だ。一方、『においが眠るまで』は新人の東かほり監督。「過去作を振り返ってみても、コンペ部門に選ばれたアジア各国の監督の中で東監督は最若手といえます。次作が期待される注目の存在になるのは間違いないでしょう」と暉峻さんは言い、「もし、グランプリを獲得すれば快挙です」と期待をこめる。 タイ映画の躍進最新のアジア映画の潮流を知ることができるのが、同映画祭の大きな魅力だ。「ここ数年のタイ映画の躍進が目覚ましい。米アカデミー賞をはじめ、世界で大躍進中の韓国映画の後は、タイ映画が続くのではないか、といわれています」と暉峻さんは分析する。映画祭では特集企画「タイ・シネマ・カレイドスコープ2024」のプログラムが組まれている。ここではタイ映画計8本が上映されるが、注目されるのは、コンペ部門にこの中から2本が入っていることだ。『親友かよ』はアッター・ヘムワディ監督の青春映画で、今年の米アカデミー賞タイ代表作品でもある。もう一作は『Solids by the Seashore(英題)』(パティパン・ブンタリク監督)で女性2人を主人公にした社会派映画だ。そして、タイ特集で最大の話題作が、昨年、タイで大ヒットした『葬儀屋』(ティティ・シーヌアン監督)。「昨年のタイ映画界のNo.1のヒット作ですが、『においが眠るまで』 日本『親友かよ』 タイ©2023 GDH 559 AND HOUSETON CO., LTD. ALL RIGHTS RESERVED『Solids by the Seashore』 タイ21

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