KOBECCO(月刊 神戸っ子)2024年3月号
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横尾忠則現代美術館美術家 横尾 忠則1936年兵庫県生まれ。ニューヨーク近代美術館、パリのカルティエ財団現代美術館など世界各国で個展を開催。旭日小綬章、朝日賞、高松宮殿下記念世界文化賞、東京都名誉都民顕彰、日本芸術院会員。著書に小説『ぶるうらんど』(泉鏡花文学賞)、『言葉を離れる』(講談社エッセイ賞)、小説『原郷の森』ほか多数。2023年文化功労者に選ばれる。横尾忠則現代美術館(神戸市灘区)にて『横尾忠則 ワーイ!★Y字路』展、開催中。日中、Y字路に出くわしているのです。そういう意味では、人生はY字路だらけです。今日一日、何も迷わないで、何も考えないで、スラスラと一日が終ったというような人は、もしかしたら一人もいないんじゃないでしょうか。われわれは毎日、一生、Y字路にぶち当たっているのです。そう考えるとY字路の絵は、少しは面白く見ていただけるんじゃないでしょうか。僕のこのエッセイを読んだあとにもう一度Y字路を見ていただくと、色々な発見があるのではないでしょうか。Y字路作品を美術的に見ていただくと同時、見る人の思い、願望、迷い、時には苦悩、または快楽、そうした「生き方」と照らし合わせて見れば、もう少し、ご自分の問題としてY字路が何かを語りかけてくるのではないかと思います。会場風景 横尾忠則現代美術館「この絵はキリコ、ユトリロ、マグリットの絵を模写しました。いずれも未完のまま」横尾忠則1919

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