KOBECCO(月刊 神戸っ子)2024年3月号
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新しい鑿と使い減った鑿(左久弘)初代久弘の刻印神戸市中央区熊内町7-5-1Tel.078-242-0216休館日:月曜日(祝日の場合は翌日)開館時間:9:30~16:30(入館は16:00まで)https://www.dougukan.jp/ TAKENAKA CARPENTRY TOOLS MUSEUM竹中大工道具館の夜店に足繁く通います。店主「正まさみつ光」は当時「格好正光」などと揶揄されるほど姿形の優れた道具をつくっていました。ならべられた鑿を羨せんぼう望のまなざしで眺め、自分に足りないモノを取り入れようと思ったはずです。のちに名工のエッセンスを織り交ぜつつ、格好のよい実用道具を数多くつくるようになりました。地下二階の名工コーナーには精緻を極め使用をためらうほどの「千代鶴是秀」の道具などと一緒に、装飾のない実用に徹した「久弘」の鑿が展示してあります。それぞれ雰囲気の違う道具たちのなかに、琴線に触れる道具がありますでしょうか。(技能員・久保正幸)15

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