KOBECCO(月刊 神戸っ子)2024年3月号
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Q.作曲家の道を目指し始めたのはいつですか?高校生の時にはもう曲を作っていて、進む道は決めていました。でも進路相談で担任に話したら、「受験のためのピアノの勉強をしてないから無理」って(笑)。結局ほぼ独学です。でも自分には独学が合っていたと思います。大好きな坂本龍一さん、三善晃さん、矢代秋雄さんが、フランスの作曲家について学んでいたことを知って、僕もフランスで生まれたクラシック音楽を勉強したり。ドビュッシー、ラヴェル、サティ…。勉強しているうちに、「ブラームスっていいな」って思うようになって、「あ、僕、ドイツの作曲家が好きかも」って、今度はドイツの音楽を知りたくなって。そうしてるうちにバッハも好きになって。Q.結果、幅広く学ぶことになりましたね。そう(笑)。言葉がないのに人を感動させるってどういうことなんだ?と思ってたんですよね。インストゥルメンタルのアルバム『何座ですか?』を作ったのは、クラシックを勉強したからこそです。12星座を音で表現してみました。Q.ご自身でデモテープを送って、デビューに至ったとか。曲を作り、詞を作り、編曲し、歌う。1人で黙々と続けていたらアルバムができる。できたら聴いてほしいですから。好きなアーティストが所属する事務所とかレコード会社とかに送って返事を待つ。ただただ待ってましたねぇ。SNSで自由に発表できる現在とは大違いですね。Q.最新のアルバム『Gift』は11枚目になりますね。なんとなく昭和というか、音楽をすごく聴いていた時代を感じるメロディが生まれました。原点回帰だと思うんです。アルバム丸ごと集中して聴いていた80年代90年代前半あたりまでに感じたことを、現在の感性で曲にしているかもしれない。Q.最近、いいなと思う音楽は?街中で流れているJPOPを「いいな」と思うことがあります。Official髭男dismさん、米津玄師さん、King Gnuさん。センスが良くてキラキラしてる。みんな、「この形が好きでやっています」っていう個性が見えて素敵です。Q.26年目。これからどんな曲を作りましょう。僕も、僕の音楽を作ろうと思います。何年にもわたっていろんなことを考えていますけど…。 結果、今、音楽に向かう気持ちはこれまでになくシンプルです。アダストラ・ベーカリーにて(神戸市中央区)text・田中奈都子小林建樹(こばやしたてき) 1972年生まれ。兵庫県神戸市出身。1999年 シンガーソングライターとして、Kittyエンターテインメントよりデビュー。2003年 WindowDiskRecord(WDR)を立ち上げる。同時に楽曲提供、プロデュースも行う。楽曲提供嵐『Kagerou』 嵐『シリウス』 嵐『maboroshi』 植村花菜『太陽』 平原綾香『誓い』(トリノオリンピック NHKテーマソング) 藤木直人『Hound Dog』松浦亜弥『灯台』 RAG FAIR『告白』 他113

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