KOBECCO(月刊 神戸っ子)2024年3月号
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―外科手術はこれからも進化するのでしょうか。内視鏡外科手術の時代になり、全ての手術が高画質で録画されるようになりました。パイオニアの先生やエキスパートの外科医の手術ビデオを繰り返して見ることで若手外科医の上達スピードが速くなり、出血のないきれいな手術ができるようになりました。近い将来、エキスパートの外科医の手術を学習したAIが手術をサポートする時代になるでしょうね。しかし最終的な責任は外科医にあります。決してAIやロボットが外科医にとって代わるわけではなく、外科医がAIやロボットを利用して、さらに安全で精緻な手術が可能になると思います。―黒田先生が低侵襲ロボット手術センター長に就かれることになった経緯は?2023年3月、北播磨医療センターを退職するにあたり「残ってほしい」という要望も頂きました。しかし、育ってきた後進に任せる時期だと判断し、違う場所で今までの経験を生かせるのではないかと考えていたところ、具院長からお話を頂きました。大学以来緊密に連携し、神戸大学の主要関連施設でもある甲南医療センターで低侵襲ロボット支援センターの稼働を推進する役目を担うことになりました。―今後への思いをお聞かせください。甲南医療センターは神戸市の東部の中核病院です。東灘、芦屋に安全なロボット手術を普及させ、地域の皆様が安心して先端医療を受けられる環境を整えるのが私の使命と考えています。私自身、外科医としての修練を続け、若手外科医の育成にも努力したいと考えています。また、外科の魅力を若い先生方に伝え、患者さんだけでなく医療者からも信頼されるセンターでありたいと思っています。【院長のひとこと】黒田大介センター長は同じ外科医として若い頃から私と幾つかの職場を共にしてきました。彼は若い時代から開腹下の消化器手術でも大学や関連施設で大変非凡な能力を発揮され、その後、肝胆膵領域に進んだ私と食道胃腸領域を中心とした黒田先生は領域が違っても外科医として最大の良きライバルでした。大学ではお互いに教育と大学ならではのチーム医療、特に数多くの難手術を担当し兵庫県の外科診療のレベルを上げるのに貢献してきた間柄です。手術の質や成否は技術と外科医の人間力、総合力の2つの要素に左右されます。黒田先生はこの2つの心技一体の要素を携えた稀有な外科医で、当院に赴任し当地の医療水準をまた確実に高めること必定で、私は大きな誇りを感じています。神戸市東灘区鴨子ヶ原1-5-16TEL.078-851-2161(代)http://kohnan.or.jp/kohnan/110

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