KOBECCO(月刊 神戸っ子)2024年3月号
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チするケースもあれば、総合内科で診断から治療まで行うケースもあります。ただ複数の病気を併せ持つ患者さんの場合、我々が主治医となり扇の要のように各診療科と連携しながら治療を行います。一人の「スーパーマン」的医師がすべての治療を行うのではなく、いろんな診療科が連携しながら治療を行う現在において、神戸大学総合内科は多種多様な専門の医師が集結しているだけに、お互い切磋琢磨し足りない部分を補い合いながら治療を行っていく(病気に立ち向かっていく)「アベンジャーズ・チーム」を目指しています。Q.乙井先生が医学の道を志されたきっかけは?A.小学生のころ、野口英世の伝記を読んだのがきっかけです。どの部分に影響を受けたのかはっきり覚えていませんが、やけどで負傷した手の手術を受け医者への道を志したという月並みな部分ですかねえ、多分(笑)。今は、病気が治って笑顔になった患者さんやそのご家族の顔を見るたびに「医者になって良かった」と思っています。Q.大学で学生さんに接するにあたってはどんなことを心掛けておられますか?A.問診で有益な情報を聞き出すには、患者さんに心を開いてもらわなくてはいけません。それと同じでこちらの伝えたいことが学生の心に響くように、学生とのコミュニケーションは心掛けています。昭和ネタやおやじギャグで愛想笑いや失笑のことも多々ありますが(笑)。ただどの診療科を目指しても自分の専門領域だけでなく、患者さんに寄り添い、患者全体を診るマインドを持った医師を目指してほしいということは強く伝えています。Q.循環器内科を専門に選び、総合内科医の道に進まれたのはなぜですか?A.心臓のことを知りたいと循環器内科を専門にしてきましたが、例えば「胸が痛い」と訴える患者さんがいて心臓を調べて異常がなくても、何とか原因を突き止め、患者さんの症状や不安を取り除けないかと思い診療していました。それがジェネラルマインドを持って全人医療を実践する総合内科医の道につながったのだと思います。Q.乙井先生の健康法やストレス解消法は?A.寝ることですかねえ。もともとポジティブ思考なのでストレスが溜まることはあまりないですが、「ケセラセラ」ですかね、寝て目覚めたら悩みごとも何とかなる気になります。それにどこでもすぐに眠れます。だからストレス解消法は皆さんにアドバイスできることがなくて・・・すみません(笑)。乙井先生にしつもん105

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