KOBECCO(月刊 神戸っ子)2024年3月号
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した。「まごわやさしい」とはまめ=大豆、ごま=種実、わかめ=海藻、やさい、さかな、しいたけ=きのこ類、いもの頭文字をとっています。それにヨーグルトを加え「まごわやさしいよ」だとなお良いそうです。─第2部はどのような内容でしたか。安尾 紙芝居で2つの事例を紹介しました。事例1は地域総合支援センターの日高美幸さんの経験をもとに「ひきこもりがちな生活で偏った食事」と題し、一人暮らしの高齢女性が夫を亡くした上にコロナ禍の外出自粛で気持ちが落ち込み、食生活がアンバランスになって体調を崩したのでかかりつけ医に相談して介護支援を受けるようになり、リハビリや地域の食事会への参加などをきっかけに元気を取り戻したというストーリーでした。事例2は、あかし保健所健康推進課の小管を拡げたりLDLコレステロールを下げたりするほか、骨粗鬆症の予防にも結びつくとお話されていました。また、イソフラボンの摂取量が多いと乳がん・前立腺がんの死亡率が下がるというデータを示され、1日あたり乾燥大豆60g、納豆1.5パックが適量だそうです。また、タウリンをたくさん摂ると心筋梗塞の発症率が低くなることもグラフで説明されました。─日本では昔から大豆や魚をよく食べますが、それが長寿に結びついているのですね。安尾 大豆+魚の摂取は葉酸や善玉コレステロールを増やすので和食は長寿食としてふさわしいそうですが、一方で大豆や魚をたくさん食べている人ほど塩分の摂取も多い傾向があり、塩分制限が必要であるとも指摘されていました。また、長生きのために食べて欲しい食品を「まごわやさしい(孫は優しい)」と覚えて帰ってほしいとのことで島真恵さんの経験をもとにした「腎臓病患者の家庭での食事療法の支援事例」で、医師からの食事制限を受けて市の栄養相談を利用し、管理栄養士から調理方法のアドバイスを受け調整しながらおいしく食べる食生活を実践するというお話でした。いずれも問題点から解決策までわかりやすい内容でした。─第3部はどのような内容でしたか。安尾「楽しく食べて健康寿命」をテーマに討論がおこなわれました。シンポジストは家森先生、紙芝居を監修した日高さんと小島さん、石田内科循環器科の石田義裕先生で、まず座長の鈴木光太郎明石市医師会副会長より家森先生へ「賢く食べることと楽しく食べることには、塩分が薄くなるなど相反する点もありそうですがいかがですか」と質問し、「お酢や香辛料などを使って塩分を減らす工夫を100

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