KOBECCO(月刊 神戸っ子) 2024年2月号
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耳美 県立美術館へは展覧会をめがけて行く方がすごく多いと思うのですけれど、海側の「サン・シスター」(「Sun Sister)」があるところまでは行かなかったという人も結構多くて。美術館のまわりをぐるりと回ってみると意外な作品があったりするので、そういう時間を持てるように余裕を持って行くのがいいのではないかと思いました。武澤 展示室だけで終わらないのがミュージアムロードの大きな魅力だと思います。田岡 初めて訪ねる方には1泊2日でここに来てほしいと思っています。大きいリュックを背負って、歩きやすい靴を履いて。ミュージアムロードを歩いて美術館でアートを鑑賞したあとは、そのまま山に行ったら県立美術館から横尾忠則現代美術館まで1.2km、歩きとしてはちょうどいいです。だけど寒かったり暑かったり、ちょっと体力も落ちてきたりすると正直きつい。だからスポットを回ってくれるモビリティがあるといい。以前、期間限定でバスが出たこともあるんですけど続かなかった。何かうまい交通手段があるといいな、と切に願います。武澤 やっぱりミュージアムロードにいすや広場などの公共スペースがずっと残っているというのはすごく重要なことだと思います。排除アートといった話題もありますし、公共的なスペースは徐々に減っている傾向にあると思うのですが、その中でもミュージアムロードにはこれからも公共的で誰でも座れて休める空間を保ち続けてほしいですし、立って歩く以外の行動を提案できるようなオブジェや作品がどんどん増えていったらより面白いのではないかと感じます。山本 武澤さんの話を聞いて思ったのですが、ミュージアムローて2時間で摩耶山に登る。テントとシュラフとマットももちろん持ってきていただく。摩耶山から西の新神戸方面へ行くと、キャンプ場ではないけれど河川敷で「市ヶ原」というちょっと宿泊できる場所がある。そこで、灘のお酒とおつまみを拡げて一泊する。そして布引の滝を見て下りてきて、そのまま新神戸駅から新幹線に乗って帰る。山本 美術館へ行かなくてもいい(笑)。ケーブルカーで下りてきて、水道筋の名物銭湯「灘温泉」もいいですね。田岡 そうですね、「灘温泉」も最高です!徒歩以外の移動手段を耳美 次はエリアの将来像、このエリアにあったらいいなと思うもの、足りないものがあればぜひ。この地域が抱えている課題でもいいですし、将来こうあってほしいというお話でも結構です。山本 やっぱり移動手段だと思います。天気が良くて元気だっ兵庫県立美術館学芸員武澤 里映94

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