KOBECCO(月刊 神戸っ子) 2024年2月号
93/148

にあるアート作品を描いた切り絵ですが、この中で印象に残る作品は何ですか。田岡 原田の森ギャラリー前にある柳原義達の鳩のブロンズはすごくいいなと思っています。ワークショップの時に実際に作品を触ってもらったんです。作品は全部手でつくっているので、その作家の指の跡がついていて、どういう工程かがわかる。野外のパブリックアートは触っていいんですかね?武澤 どんどん触っていただいてしかるべきなのではないでしょうか。県立美術館では視覚に障害のある方含め、あらゆる方に作品を触っていただける展覧会を毎年開催していますよ。楽しみは展示室を超えて耳美 初めてミュージアムロードを訪ねる方に、おすすめの過ごし方を教えてください。もし関西以外の知人が観光で神戸を訪問した際に、ミュージアムロード近辺を案内するとしたらどのような過ごし方を提案されるでしょうか。山本 神戸を訪れる人にとって、ミュージアムロードは結構穴場だと思います。仕事で外国の美術館に作品を貸し、その展示の立ち会いで1週間くらいその街に滞在することがあるのですが、観光地には行かないけれど、その街に生活している人に近い体験をする。観光よりむしろ面白いんですね。これは願望なんですけど、完全に仕事を忘れて1泊2日でこの界隈をうろうろ山本 淳夫したい。「ゲストハウス萬まや家」という、歯医者さんを改装したすごく独特な宿泊施設に泊まって、この界隈の美術館を全部制覇して、晩は水道筋で飲んだくれて、っていうのを一度やってみたいですね。武澤 ミュージアムロードは一本道のようで寄り道がすごくしやすいんです。いろいろな寄り道をして、最後に美術館に行くみたいな過ごし方があってもいいと思います。それこそBBプラザ近くの大きな道路に「灘の名物」って書かれた大きな看板が出ているたこ焼き屋さんがあるのですけれど、実はすごく美味しいんです。❼「Sun Sister」(愛称:なぎさ) ヤノベケンジ 2015年❻「道標・鳩」 柳原 義達 1972-1987年横尾忠則現代美術館館長補佐兼学芸課長93

元のページ  ../index.html#93

このブックを見る