KOBECCO(月刊 神戸っ子) 2024年2月号
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非常に大切です。その上でこの協定では、認知症という病気の社会的な理解を促進することと、臨床的な面と両方含めて、認知症でも安心して住める社会、モデル都市づくりに向けて活動を続けています。そこには、革新的な治療薬の開発だけでなく、課題となる疾患を取り巻く患者さん達の生活環境を整えるということも含まれており、その両方を柱に据えて、日本だけでなく世界中でより長く、より健康に、そしてより幸福に人々が生活できる社会を作っていきたいと思っています。革新的な治療薬の代表例として、2型糖尿病治療薬「マンジャロ」の発売がありますが、現状についてお聞かせ下さい。インスリンの分泌に重要なGIPとGLP―1という2つのホルモンの受容体に単一分子として作用する世界初の治療薬で、2型糖尿病を適応症として上市しましたが、非常にポジティブな影響があったとの報告をいただいております。糖尿病の治療法というのは進化を続けていますが、それでも未だ血糖管理に苦労されている患者さんがたくさんいらっしゃいます。そういった患者さんにとって、「マンジャロ」は新しいクラスの治療薬であり、世界の糖尿病の治療を、一段とレベルアップして加速させるものになると考えています。改めて、日本イーライリリーはどのような会社でしょうか?創業者が掲げた、誠実さ、卓越性の追求、人の尊重、この三つは、変わらぬ価値観として、リリーのどこの国の組織でも守られている文化です。そして、先ほども申しましたが、イノベーション(革新)を旨とし、革新的な医薬品を特定の疾患分野にフォーカスし、糖尿病やがん、自己免疫疾患、認知症、中枢神経疾患などの治療を必要としている患者さんに最適な薬を届けたい、という想いを大切にしています。そして、このイノベーションということをやっていこうとすると、どうしても人材の多様性が大切になってきます。そこで、日本イーライリリーは約20年も前から、この多様性ということに注力し、推進しています。そして、リリーの中でも、日本の組織は、性別や年齢、LGBTQなどの多様性とその理解・推進で先駆的な地域と自負しています。さらに、世界の基準と比べても患者さん中心主義の徹底、ならびに、患者さんの視点に立った現場力、遂行力、実行力という点が、非常に大きな強みであると思っています。神戸こそがベストな拠点!世界企業が見るこの街の魅力34

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