KOBECCO(月刊 神戸っ子) 2024年2月号
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の1に当たります。これによる社会的な負担は非常に大きく、2060年には24兆〜25兆円に上る社会的コスト(現在のがん治療の約3倍)がかかると考えられています。これまでも、認知症の70%がアルツハイマー型の認知症だと言われており、患者数が非常に多いにも関わらず、有効な治療法がありませんでした。しかし、私どもの臨床試験においては、「ドナネマブ」により、認知機能、そして日常生活機能の低下を有意に遅延させる結果を見ることができました。このことからも「ドナネマションです。その上で、現在の中期計画では2025年末までに、累計2400万人の日本の患者さんに、当社の薬をお届けすることを目標としています。投資の意図の一つは、それに向けた生産能力の増強です。先ほど、超高齢化社会がもたらす病気の例を挙げて頂きましたが、アルツハイマー病薬「ドナネマブ」を昨年、厚労省に承認申請されましたね。リリーでは認知症薬の研究開発に35年以上、60億ドル以上を投資しており、その間も山あり谷ありでしたが、ようやく申請にこぎ着けたことを非常に嬉しく思っています。アルツハイマー病というのは、時と共に認知機能が衰えてきて、それは当時者の方ご自身にとっても、また介護されるご家族にとっても非常に負担が大きい疾患です。日本においては2030年までにアルツハイマー病の患者数が700万人に達すると言われており、この数は、高齢者の約5分超高齢化社会の問題と向き合う! 話題の新薬への想い2016年に「認知症にやさしいまちづくり推進のための連携と協力に関する協定」を神戸市、医療産業都市機構の三者で結ぶ米国インディアナ州インディアナポリスに本社を置く32

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