KOBECCO(月刊 神戸っ子) 2024年2月号
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配信「石川さゆり お家(うち)でライブ」だという。「ピアノやギターのみの伴奏で私が歌うライブ配信を聞いてくれた全国のファンの方たちから、『こんなアコースティックライブは初めて聞いた。ぜひ自分の地元でも公演してほしい』という声が届き、チャレンジしようと決めたんです」イチローとの約束2023年を締めくくる紅白では『津軽海峡・冬景色』を熱唱したが、同曲と同じ通算13回、紅白で歌ってきた名曲がある。『天城越え』(1986年)だ。このヒット曲にも逸話が多い。その一つがメジャーリーガー時代のイチロー氏が、打席に立つ際の登場曲に使っていたことだ。2008年1月。兵庫県尼崎市で開催された石川さんの公演を聴いた、当時、シアトル・マリナーズに在籍中のイチロー氏が楽屋を訪れこう言った。「今シーズンは僕は越えなけさんが近年、力を入れているアコースティック・ライブが開催される。「実はこのライブもボーダレスの活動の一つなんですよ」と石川さんは語る。「公演の前半はドレス、後半は着物で歌う2部構成のライブなんです」タイトルは『「有楽町のさゆりさん」。ドレスと、着物で、逢いましょう。』と銘打った遊び心にあふれたライブだ。「従来の大ホールで行うフルオーケストラコンサートとは、また趣の違った〝スペシャルなライブ〟なんです」と言い、こう説明する。「シンプルなアコースティック・ライブで二チームの編成を考えています。一つはサックスやウッドベース、ギターのチーム。もう一つはチェロやバイオリンなどで編成するチーム。間近に歌を伝えることができ、大ホールとはまた違った歌の魅力を楽しんでほしいと考えています」このアコースティック・ライブを思い立ったきっかけは、コロナ禍に始めたYouTube奏に乗せて『津軽海峡・冬景色』を力強く歌い、日本から平和の思いを世界へ届けた…。新春をイメージした鮮やかな白を基調にした厳かな着物を身にまとい、石川さんは取材場所へと現れた。全国各地のステージの上から半世紀以上歌い続けてきた自信と風格、そして凄みが漂う。だが、物腰は柔らかく、終始、気遣いながらインタビューに答えてくれた。年初から全開で2024年も多忙なスタートを切った。年の初めは1月7、8両日、大阪・森ノ宮ピロティーホールでの新春特別公演で〝歌い始め〟。24日には女優として東京・PARCO劇場での朗読劇『ラヴ・レターズ~2024 New Year Special~』の舞台に立った。そして3月12、13両日は、東京・有楽町I,MA SHOW(アイマショウ)で石川22

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