KOBECCO(月刊 神戸っ子) 2024年2月号
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化や思想をもとにした固有の歴史があり、大病院が混雑するという日本のフリーアクセスのシステムの課題解消のためにもかかりつけ医の役割が重要であるとまとめていました。─第3部はどんな内容でしたか。杉安 尼崎市医師会理事の鷲田和夫先生と私が司会を務めて、5名のシンポジストのみなさまとシンポジウムをおこないました。県立小田高校教諭の福田秀志先生が生徒にかかりつけ医に関するアンケートをおこなったところかかりつけ医を意識している割合は半分くらいで、「健康相談と予防ができる」「幼少期からお世話になっている」「専門の病院を紹介してくれる」などというイメージがあるとのことです。一方で、かかりつけ医を見つけるのが難しいという意見もあったそうで、それに対し地元選出の衆議院議員、中─第2部はどんな内容でしたか。杉安 兵庫県立小田高校看護医療・健康類型2年3組有志のみなさんの演劇でした。「郷に入れば郷に従わないといけない?~世界の医療は十人十色」という題で、ある若夫婦の赴任先のヨーロッパのある国と尼崎の実家を舞台に、それぞれ医療を受けた様子を劇で比較し、最後に医療システムはそれぞれの国の文野洋昌先生から、診療所にかかりつけ医としての機能を報告してもらう制度をはじめるというお話がありました。─それは新しい情報ですね。杉安 基調講演をおこなった黒瀬先生によれば、この報告制度は2025年4月頃にスタートする見込みだそうです。この制度に関して兵庫県医師会会長の八田昌樹先生は、特にかかりつけ医を持っていない人が医療機関を探す際に活用できるだけでなく、医師間の情報共有にも役立つのではないかと期待していました。─かかりつけ医制度についてはどんな議論がありましたか。杉安 中野先生によれば、イギリスのような極端な制度ではなく、フリーアクセスの原則を担保する形に落ち着くだろうということです。八田先第2部は兵庫県立小田高校有志のみなさんの演劇。医療システムはそれぞれの国固有の歴史があり、かかりつけ医の役割が重要であるとまとめた106

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