中になってドキドキしながら読んでいた。その頃の楽しさを思い出したんです。これからは自分が本当に書きたい、読者に読んでほしいと思う小説を自由に書いていこうと…。新作ではドラマの面白さと、ミステリーの面白さを両立させたかつてない読み応えのある作品になっていると自負します」今後の作家としての目指す方向性も気になるところ。「40代の頃は体調面などが少し気になっていたのですが、50歳になって体調は戻り、実は今〝無敵な気分〟。60歳まで、あと10年あり、書きたいと思う小説を書き続けたいと考えています。あと何作、書けるのでしょうね…」充電を終えたイヤミスの女王は〝無敵の女王〟となり、ミステリー界へ帰ってきた。(⼾津井康之)湊 かなえ(みなと・かなえ)1973年広島県生まれ。2007年に「聖職者」で小説推理新⼈賞を受賞。翌年、同作を収録した『告白』が2009年の本屋大賞を受賞。映画化を経て累計350万部のベストセラーに。12年「望郷、海の星」で日本推理作家協会賞短編部門を受賞。その他の著書に『少女』『贖罪』『母性』『望郷』『高校入試』『絶唱』『リバース』『ユートピア』『未来』『落日』『カケラ』など。2018年『贖罪』がエドガー賞候補となる。『人間標本』人間も一番美しい時に標本にできればいいのにな蝶が恋しい。蝶のことだけを考えながら生きていきたい。蝶の目に映る世界を欲した私は、ある日天啓を受ける。あの美しい少年たちは蝶なのだ。その輝きは標本になっても色あせることはない。五体目の標本が完成した時には大きな達成感を得たが、再び飢餓感が膨れ上がる。今こそ最高傑作を完成させるべきだ。果たしてそれは誰の標本か。――幼い時からその成⻑を目に焼き付けてきた息子の姿もまた、蝶として私の目に映ったのだった。イヤミスの女王、さらなる覚醒。15周年記念書下ろし作品。発売日:2023年12月13日 定価:1,870円(税込) 発行:株式会社KADOKAWA33
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