KOBECCO(月刊 神戸っ子) 2024年1月号
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業後すぐに日曜夜の連続ドラマ「われら青春!」の主演、沖田俊に大抜擢された。ドラマの劇中、アコースティックギターを抱え、歌った「ふれあい」は大ヒット。デビューシングルのレコードがいきなりミリオンセラーとなる126万枚超えを記録し、歌番組への出演など引っ張りだこに。まさに時代の寵児として鮮烈なデビューを飾った。翌1975年には主演ドラマ新作の小説や映画に新譜…。これら創作物が、漫然とこの世に生まれることはない。いずれも創作者たちが大切に温め蓄えてきたアイデアや知識を駆使し、紡ぎ出された想像力の結晶だ。「新たな物語が始まる瞬間を見てみたい」。そんな好奇心の赴くままに創作秘話を聞きにゆこう。第38回は、俳優、歌手として第一線を走り続け、今年デビュー50周年を迎える中村雅俊さん。文・戸津井 康之半世紀かけて叶えた三つの夢…人生はまだ青春の途上THESTORYBEGINS-vol.38俳優、歌手中村 雅俊さん⊘ 物語が始まる ⊘なんて当時は想像もしていませんでした。⼾惑いましたよ…」気さくな笑顔で中村雅俊さんは半世紀前の〝衝撃デビューの真相〟をこう振り返る。182センチの長身。スラリと背筋の伸びたスタイルの良さは大型新人と呼ばれたデビュー当時の頃と変わらない。周囲を和ませる爽やかで朗らかな笑顔も、72歳となった今も健在だ。慶應大学在学中に文学座附属演劇研究所に入所。大学卒衝撃のデビュー今から49年前の1974年。歴代人気を誇った青春ドラマシリーズの新作に、長身で長髪の〝大型新人〟が彗星のごとくデビュー。弱小ラグビー部を甦らせる新任の熱血先生を演じ、世間を賑わせた。「3⽉に大学を卒業し、翌4⽉にいきなり連続ドラマの主演ですからね。さらに劇中歌で歌った曲で歌手デビューできる24

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